- 小さい子から大きい子まで楽しめる絵本ってどんなのかな
- 大人も一緒になって楽しめる絵本ってないかな
そんな絵本をお探しの方には、ヨシタケシンスケの絵本がオススメ。
彼の代表作『りんごかもしれない』はご存じの方も多いのではないでしょうか。
ヨシタケシンスケの絵本は、絵を見ているだけでも楽しめて、それぞれの年齢によって感じ方も違い、大人もクスッと笑えるものばかり。
自由な発想で、型にはまらない切り口で読者を楽しませてくれるヨシタケシンスケワールドに子どもも大人もハマること間違いなし!
今回は、ヨシタケシンスケの絵本の中からそれぞれ子どもチョイスの3つと大人チョイスの2つの合わせて5つの絵本を紹介します。
筆者には10歳、7歳、4歳の3人の子どもがいて、家族みんなでヨシタケシンスケ展に行ってきました。
お土産に買って帰る絵本をみんなで選んだのですが、1,2冊では満足できず、結局ひとり1冊選んで一気に5冊のヨシタケシンスケ絵本を我が家にお迎えすることに!
家に帰ってすべて読んでみると、それぞれ子どもが選んだ本と大人が選んだ本には、とある傾向が。とても面白い発見になりました!
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ヨシタケシンスケとは
2013年に絵本作家デビューを果たし、デビュー作『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)で、第6回MOE絵本屋さん大賞第1位を受賞。ユニークな発想とクスッと笑えるユーモアセンス、「確かにそうだよね!」と思わせる共感力を兼ね備えたヨシタケシンスケさんの絵本は子どもから大人まで大人気。
絵本作家としてデビューする前からイラストレーター、造形作家として活動していたので、その脱力感のあるイラストと文字も魅力のひとつです。
1973年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)で、第6回MOE絵本屋さん大賞第1位、第61回産経児童出版文化賞美術賞、『りゆうがあります』(PHP研究所)で、第8回MOE絵本屋さん大賞第1位を受賞。著書に、『ぼくのニセモノをつくるには』『このあとどうしちゃおう』『もうぬげない』(以上、ブロンズ新社)、『ふまんがあります』(PHP研究所)、『デリカシー体操』(グラフィック社)などがある。2児の父。
ヨシタケシンスケ著『なつみはなんにでもなれる』巻末筆者紹介より
子どもが選んだヨシタケシンスケ
内容よりも直感で絵本を選ぶ子どもならではの、見て楽しい、わかるわかるー!と共感できる絵本をそれぞれチョイスした子どもたち。
4歳児が選んだ『なつみはなんにでもなれる』
小さな女の子“なつみ”が、まねっこゲームでいろんなものに変身し、“おかーさん”に問題を出ていく絵本。子どもならではの自由な発想で自信たっぷりに問題を出す“なつみ”と、まったく正解を当てられない“おかーさん”。「なんでわかってくれないのー!」「わかるわけないでしょー!」というやりとりが見ていてほっこりします。
この本を選ぶときからゲラゲラ笑っていた我が家の4歳児。きっと面白いお友だちを見ているような気持ちだったのではないでしょうか。
“なつみ”に感情移入する子どもと“おかーさん”に感情移入する親。
文字の読めない小さな子でもすぐに頭に入る内容なので、“なつみ”役を子どもにしてもらって一緒に絵本を読んだり、“○○(子どもの名前)はなんにでもなれる”ごっこをしたりと、楽しみの幅も広がります。
7歳児が選んだ『おしっこちょっぴりもれたろう』
なぜかいつもパンツにおしっこがちょっぴりもれちゃう“もれたろう”。これってぼくだけ?もしかして、ナイショにしてるだけで実はみんな“おしっこちょっぴりもれたろう”なんじゃないの?という疑問を胸に町を散歩しながら仲間探しを始めます。
この、子どもなら誰もが一度は経験したことがあるんじゃないかという「おしっこちょっぴりもれちゃった件」をユーモアたっぷりに繰り広げていく『おしっこちょっぴりもれたろう』。
この本を読んでいると大人も「そんなこともあるよね、まぁバレなきゃいいよね」と思えてしまうから不思議。
「この本が一番面白かったから選んだ」という我が家の息子ももしかして、実は・・!?
10歳児が選んだ『ねぐせのしくみ』
実はねぐせは何者かによって作られたものだった!?女の子が眠ったあとにやってきたのは、得体の知れない生物たち。その生物たちは、女の子を起こさないように気を配りながら、そーっと、巧みにフェスティバルの準備を始め・・!?
身近な“ねぐせ”って、実はこうやってつくられているんだ!と思うとクスッとしてしまうこの『ねぐせのしくみ』は、めくっているだけで親子で楽しめる絵本。
実はこの本、文章が一切出てきません。主人公の女の子も、ずっと寝ているのでしゃべりません。出てくるのは得体の知れない生物たちのちょっとした会話だけ。
日常で起こる「ナゼ?」をヨシタケシンスケワールドで展開した、インパクト大の絵本です。
大人が選んだヨシタケシンスケ
父と母が選んだ絵本はちょっと哲学的で、「こんな考え方っていいよね」と子どもがこの先長い人生を送る上で考え方のひとつのヒントになりそうな内容のものになりました。
自分が親になってみて、子どもに読んでほしい!家に置いておきたい!と思えるシリーズです。
父が選んだ『つまんないつまんない』
なんかつまんない・・なんでつまんないんだろう・・そもそも、つまんないってなんだ?「つまんない」をいろんな方向に展開して考えすぎて逆に面白くなってしまう男の子が行き着く先は・・!?
「つまんない」で終わらせずに、「その気持ちを深掘りしてみたらどうなるのか」という着眼点には驚かされます。
絵本だけど、大人も考えさせられる、子どもと一緒に読みたい絵本のひとつです。
母が選んだ『ころべばいいのに』
嫌いな人なんて、石につまずいてころべばいいのに。そんなモヤモヤをなんとか自分の中で消化しようとする女の子。こうしてみたらどうだろう、ああしてみたらどうだろう、それでもダメならこうしたら?ああしたら?・・あれ?もしかして悪いのはあの子じゃなくてもっと別の何かなのかも??
子どもも、大人も、嫌なことはあるし、嫌だなーって思う人はいる。そんなときに大切なのは、環境や人を変えようとすることじゃなくて、環境や相手を受け入れた上で自分とどう向き合っていくか。そんな哲学的な考え方が詰まった絵本です。
子どもたちはこの先きっと「嫌だなぁ」と思うこともあれば「この人好きになれないなぁ」という経験もすると思います。そんなときに、その環境や状況を受け入れて自分と向き合える力があればきっと大丈夫!この絵本を通して、「そっか、こんな考え方があるんだな、なんかちょっと見方を変えてみるのも楽しいかも」と思ってもらえるといいな。
ヨシタケシンスケ展かもしれない
ヨシタケシンスケ初の展覧会!
展示会というと少し堅苦しくて静かに見て回るイメージですが、この『ヨシタケシンスケ展かもしれない』は子どもと一緒に遊びながら見て回れる展示会です。
絵本のキャラクターが会場内に散りばめられているので、ヨシタケシンスケ絵本ファンにもたまらない!
すでに開催期間を終えた地域もあり、今後の開催は残すところあと2ヶ所。
鳥取会場 2023年4月8日(土)~5月7日(日)
福岡会場 2023年5月22日(月)~7月16日(日)
興味のある方はぜひ足を運んでみてください!
Eテレで『それしかないわけないでしょう』アニメ化!
大人になったときに未来に待っているのは、大変なことばかり。
おにいちゃんはそう言うけど、それって本当!?
それしかないわけないでしょう!
考え方ひとつで楽しい未来がたくさん見えてくるはず。
未来に不安を抱えるすべての人に読んでほしい、
ヨシタケ式「かんがえる絵本」がEテレでアニメ化!
放送日時:Eテレ 3月22日(水)午前9:45~9:54